ちょうど 【ネカフェ難民と振り返る】少年ジャンプの歴史ー最終兵器マッチョ で、80年代の週刊少年漫画誌環境を振り返る機会があったので、ついでに今回は80年代のマンガ環境を、ざっくりと見ていきたいと思います。
・第二黄金期を迎える 週刊少年サンデー
80年代といえば、ラブコメの時代。そしてサンデーの躍進も有名です。「うる星やつら」「タッチ」は、ラブコメブームを牽引。サンデーも、第二黄金期と呼ばれました。その後、かわいい漫画、バンド、パロディギャグが続きます。
また、「サバイバル」「男組」と言った硬派路線の作品が、同時期に連載を終了していることも、雑誌の色や読者の需要を示す、象徴的な出来事でした。
・サンデーすらも突き放した 週刊少年ジャンプ
ジャンプの胸ぐらを掴んだと評される、当時のサンデーの勢いに対して、ジャンプは本宮先生から続く、マッチョ路線の最終兵器「北斗の拳」を引っ提げ、これに対抗。その他「聖闘士星矢」「銀河流れ星銀」「魁!!男塾」「ろくでなしBLUES」といった硬派路線や、その他「あられちゃん」「ストップひばりくん」「泉ちゃんグラフィティ」「きまぐれオレンジロード」「てんで性悪キューピット」「電影少女」などのかわいいまんが、そして「ドラゴンボール」「バスタード」といった、かわいいとマッチョ両方兼ね備えた作品を連載。
82、83年あたりには、サンデーに抜かされると言われていた発行部数を大きく突き放し、89年には、公称発行部数500万部の異次元に突入します。
・急降下する 週刊少年チャンピオン
一方、急速に勢いを落としたのが、チャンピオンです。「ドカベン」「ガキでか」「マカロニほうれん草」そして「ブラックシャック」。70年代、未曾有の黄金期を迎えていた本誌は、度重なるヒット作の連載終了で、下降の一途をたどりました。
こんな時期に連載を開始したのが、ロリコン漫画の帝王・内山亜紀先生の「あんどろトリオ」です。幼女がオムツ履いておしっこする漫画です。
・90年代の兆候を見せる 週刊少年マガジン
この時期面白い動きを見せたのが、マガジンです。「バリバリ伝説」を掲載し、バイク漫画の先頭集団につけた同雑誌は「コンポラ先生」「あいつとララバイ」「バツ&テリー」などを連載。90年代の「カメレオン」「湘南純愛組」「疾風伝説 特攻の拓」へと続くヤンキー路線に比重を置いていきます。
日夜校内暴力が取り沙汰され、暴走族も最盛期だった、激しい時代です。
・最後の煌めきを放った 週刊少年キング
同様にこうした時代の流れを感じ取ったのがキングです。82年、一度休刊し、隔週刊誌「少年KING」に改題創刊。「湘南爆走族」「ペリカンロード」といった、ヤンキー・バイク・暴走族漫画を連載。両作はヒットし、共に映像化されました。
また、望月三起也先生や、松本零士先生などのレジェンドも筆を握り、88年、再び休刊となる同誌は、最後の輝きを放っていました。
・新たなBIG5入りなるか!? 週刊少年宝島
この頃、サブカル雑誌として勢いのあった「宝島」が、キング休刊後、4誌体制となっていた週刊少年漫画誌界に殴り込みをかけたのが「週刊少年宝島」です。永井豪先生や、江口ひさし先生の作品を掲載するも、返品率が8割を切ることがなかったらしく、13号で廃刊となってしまいました。
ただ同誌には、高取英原作・藤原カムイ作画の「聖ミカエラ学園漂流記」が掲載されており、それが同誌最大の功績かもしれません。
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